認知スキーマ
人間が外界を理解するための知識の枠組みや構造。新しい情報に遭遇したとき、既存のスキーマとの関係によって情報の処理方法が決まる。
由来
ピアジェの発達心理学に由来する概念。子どもが新しい経験に直面したときにスキーマを更新する2つのメカニズムを提唱した。
- 同化(assimilation): 新しい情報を既存のスキーマに取り込む。枠組みは変わらない
- 調節(accommodation): 既存のスキーマ自体を変形させて新しい情報に対応する
認知心理学・認知行動療法(ベック)の文脈では、個人が持つ思考の枠組みや信念体系を指す。
フィードバックとスキーマ更新
フィードバックが認知変容を起こすかどうかは、フィードバックの内容ではなく、受け手のスキーマとの認知的距離で決まる。
フィードバックの設計とは「どの層で伝えるか」ではなく、受け手のスキーマ状態を推定し、どこに接続すれば拡張されるかという接続点の設計。
ソフトウェア開発におけるスキーマ
開発者のスキーマは認知フィードバック設計におけるコンセプトモデルとプロダクションモデルの二層構造で記述できる。
- コンセプトモデル → 「あるべき姿」のスキーマ
- プロダクションモデル → 「現状の理解」のスキーマ
- 開発行為 = コンセプトモデルをプロダクションモデルに収束させるプロセス
Bounded Contextにおけるユビキタス言語は、チーム内でスキーマの方向(意味空間上のベクトル)を揃える行為。
スキーマと認知バイアス
認知バイアスの多くはスキーマの維持・防衛メカニズムとして説明できる。