役員報酬
法人の役員(取締役、代表取締役など)が会社から受け取る報酬。従業員の給与とは税務上の扱いが異なる。
特徴
原則として変更不可
役員報酬は年度途中での変更が原則できない。税務上、損金算入が認められるのは「定期同額給与」(毎月定額)のみ。
変更が認められるのは以下の場合:
- 事業年度の開始から3ヶ月以内
- 業績悪化など特別な事情がある場合
社会保険料の発生
役員報酬を受け取る場合、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入義務が発生する。報酬額に応じて保険料が決まる。
役員報酬を0円にすれば、社会保険への加入義務はなくなる。
源泉徴収の対象
役員報酬は給与所得として扱われ、源泉徴収の対象になる。会社が源泉徴収して税務署に納付する。
設定戦略
法人税と所得税のバランス
- 役員報酬を高くする → 法人の利益が減り法人税が減る。個人の所得税が増える
- 役員報酬を低くする → 法人の利益が増え法人税が増える。個人の所得税が減る
所得税は累進課税で最高45%(+住民税10%)、法人税は一定(中小企業の場合、所得800万円以下で約15%、800万円超で約23%)。トータルの税負担が最小になるように調整する。
社会保険料の影響
役員報酬が増えると社会保険料も増える。社会保険料は報酬の約30%(会社負担+個人負担)。高額な役員報酬は社会保険料の負担も大きい。
二以上事業所勤務との関係
自分の法人で役員報酬を受け取りながら、別の会社で働く場合:
- 両方から報酬を受け取る → 二以上事業所勤務届が必要。報酬を合算して社会保険料を計算
- 自分の法人で役員報酬0円 → 別の会社の社会保険だけでOK
役員報酬を0円にすることで、シンプルに運用できる。
決定手続き
- 株主総会で決定(一人会社なら自分で決める)
- 議事録を作成
- 事業年度の開始から3ヶ月以内に実施