帰納法と演繹法
縦の論理を構成する2つの推論形式。メッセージ(主張)を根拠で支える際に使い分ける。
帰納法(Induction)
具体的な複数の事例から共通項を導いて一般化する推論。
事例1: AはXである
事例2: BもXである
事例3: CもXである
→ したがって、[共通するカテゴリ]はXである
特徴:
- 複数事例からパターンを発見する
- 確実性はないが、有用な一般化ができる
- 「みんなが〜している」という形式
弱点:観察していない事例が反例になる可能性がある(黒い白鳥問題)
演繹法(Deduction)
一般的な前提から、個別の結論を論理的に導く推論。
前提1: すべてのAはBである
前提2: CはAである
→ したがって、CはBである(必然的に成り立つ)
特徴:
- 前提が正しければ結論も正しい(必然性)
- 「目標達成に必要だから〜すべき」という形式
- 前提の正しさ自体は保証されない
使い分け
| 場面 | 適した推論 |
|---|---|
| 事例から法則・傾向を発見する | 帰納法 |
| 既知の原則を個別ケースに適用する | 演繹法 |
| 既存の知識から新しい問題を分析する | 演繹法 |
| データから仮説を導く | 帰納法 |
仮説思考との関係
仮説生成は帰納・演繹・問いの設定の複合プロセス:
- 帰納的要素:「前にも似た問題があり、そのときは〇〇が原因だった」というパターン認識
- 演繹的要素:「〇〇が発生するとXになる」という既知の原理の適用
- 問いの設定:「何が説明変数になりうるか」という視点の選択
「アブダクション」と呼ばれる仮説的推論は、この複合プロセスの結果(仮説が生まれること)に名前を付けたものであり、演繹・帰納とは別の独立した推論形式ではない。
ビジネスでの活用
Why So?(縦の論理の検証)に答える際、帰納または演繹で根拠を積み上げる:
- 帰納:「A社、B社、C社すべてで同じ問題が起きている → この業界全体の傾向だ」
- 演繹:「価格が下がれば需要が増える(原則)→ 値下げを検討すべき」