取り付け騒ぎ
多数の預金者が同時に銀行から預金を引き出そうとする現象。銀行の破綻を引き起こす可能性がある。
発生メカニズム
- 銀行の財務状況に対する不安が広まる
- 預金者が「他の人より先に引き出さねば」と考える
- 多数の預金者が同時に引き出しに殺到
- 銀行はフラクショナルリザーブのため、全預金を即座に返済できない
- 引き出し要求に応じられず、銀行が破綻する
なぜ起きるのか
銀行はフラクショナルリザーブ(部分準備制度)で運営されている。預金の一部(例:10%)のみを準備金として保持し、残りを貸し出している。
例:
- 預金総額: 100億円
- 手元の準備金: 10億円
- 貸出金: 90億円
通常時は問題ないが、預金者全員が同時に引き出しを求めると、10億円しか返せない。
対策
預金保険制度
預金保険制度により、一定額までの預金は政府が保証する。これにより預金者の不安を和らげ、取り付け騒ぎを予防する。
最後の貸し手
中央銀行が最後の貸し手として、流動性危機に陥った銀行に緊急融資を行う。
ステーブルコインとの対比
ステーブルコインは100%準備金を保有するため、理論上は取り付け騒ぎのリスクがない。全てのホルダーが同時に償還を求めても、裏付け資産(米国債など)を売却すれば対応可能である。
ただし、裏付け資産の流動性や透明性が不十分な場合は、ステーブルコインでも信用不安が発生する可能性がある。
歴史的事例
- 1929年: 世界恐慌時の米国銀行システム崩壊
- 2008年: リーマンショック後の銀行取り付け騒ぎ
- 2023年: シリコンバレーバンク (SVB) の破綻
関連
- フラクショナルリザーブ - 取り付け騒ぎを引き起こす構造
- 準備金 - 即座に返済できる資金
- 預金保険制度 - 取り付け騒ぎを防ぐ仕組み
- 最後の貸し手 - 流動性危機への対応
- ステーブルコイン - 取り付け騒ぎリスクの低い代替システム
- ステーブルコインと国債と銀行の未来