フラクショナルリザーブ
銀行が預金の一部のみを準備金として保持し、残りを貸し出すことで信用創造を行う仕組み。現代の銀行システムの基盤。
仕組み
- 銀行が100万円の預金を受け入れる
- 準備率10%の場合、10万円を準備として保持
- 残りの90万円を他者に貸し出す
- 貸し出された90万円が別の銀行に預金される
- その銀行も同様に81万円を貸し出す...
このプロセスを通じて、元の預金額の何倍もの「お金」が経済に生まれる(信用創造)。
銀行の収益モデル
銀行は預金金利(例: 0.01%)と貸出金利(例: 3%)の差(利ざや)で利益を得る。この利ざやビジネスがフラクショナルリザーブの恩恵。
リスク
- 取り付け騒ぎ: 預金者が一斉に引き出しを求めると、準備金では対応できない
- 流動性危機: 貸出が回収できないと資金繰りが悪化
これを防ぐために中央銀行の「最後の貸し手」機能や預金保険制度が存在する。
ステーブルコインとの対比
ステーブルコインは100%準備が義務付けられている(GENIUS法)。
| 銀行預金 | ステーブルコイン | |
|---|---|---|
| 準備率 | 部分(例: 10%) | 100% |
| 信用創造 | 可能 | 不可能 |
| 貸出収益 | あり | なし |
この違いが「銀行のジレンマ」を生む。銀行がステーブルコインを発行すると、フラクショナルリザーブによる貸出ビジネスができなくなる。