デジタルアイデンティティウォレット
スマートフォン等のデバイスに搭載される、デジタル形式の身分証明書・認証情報の管理基盤。物理的な身分証明書(パスポート、免許証、マイナンバーカード等)の機能をデジタル化し、オンライン・オフラインで利用可能にする。
概要
従来のeKYCが「書類を撮影して提出する」モデルであるのに対し、デジタルアイデンティティウォレットは「デバイス内に認証情報を安全に保管し、必要に応じて提示する」モデル。
主な動向
EU Digital Identity Wallet(eIDAS 2.0)
EU加盟国の市民に提供される統一デジタルID基盤。EU内での国境を越えた電子署名・認証の相互運用性を実現。
日本のマイナンバーカード機能のスマホ統合
2025年5月からAndroidでマイナンバーカードの機能をスマホに搭載する仕組みが先行開始。これにより公的個人認証やeKYCのワ方式・ヘ方式がより利便性高く利用できるようになる。
従来のeKYCとの違い
| 従来のeKYC | デジタルアイデンティティウォレット | |
|---|---|---|
| 書類の提示 | 都度撮影・アップロード | ウォレットから選択的開示 |
| データの所在 | サービス側に保存 | デバイス内(ユーザーが管理) |
| 相互運用性 | サービスごとに個別対応 | 標準化されたプロトコル |
| プライバシー | 全情報を開示 | 選択的開示が可能 |
FIDO2・WebAuthnとの関係
デジタルアイデンティティウォレットはFIDO2/WebAuthnとの統合が進んでいる。マイナンバーカードでパスキーを発行し、公的個人認証(JPKI)と組み合わせることで、犯収法上の要件を満たしながら利便性を高める方向性。
課題
- プライバシー: ウォレット内の利用履歴がどこに蓄積されるか
- 相互運用性: 国際的な標準化(EUと日本の方式の差異)
- デバイス依存: スマホ紛失時の継続性