MMF
短期金融商品(米国債、コマーシャルペーパー、譲渡性預金など)に投資する投資信託。高い流動性と安全性を提供しながら、銀行預金より高い利回りを得られる。
特徴
投資対象
- 短期米国債(T-Bill)
- コマーシャルペーパー(企業の短期借入証書)
- 譲渡性預金(CD)
- レポ取引(債券を担保にした短期融資)
残存期間が短い(通常90日以内)資産に限定され、信用リスクが低い。
利点
- 流動性: いつでも解約可能(通常はT+1で現金化)
- 安全性: 投資対象が高格付け短期債務のため、元本割れリスクが低い
- 利回り: 銀行預金より高い金利(ただし保証はない)
欠点
- 預金保険制度の対象外(預金保険制度は銀行預金のみ)
- 元本保証がない(理論上は元本割れの可能性がある)
- 金利が低い時期は魅力が薄い
銀行預金との比較
| 項目 | 銀行預金 | MMF |
|---|---|---|
| 利回り | 低い | やや高い |
| 安全性 | 預金保険制度で保証 | 高いが保証なし |
| 流動性 | 即座に引き出し可能 | T+1で現金化 |
| 規制 | 銀行規制 | 投資信託規制 |
ステーブルコインとの関係
GENIUS法により、ステーブルコイン発行体は準備金として以下を保有できる:
政府系MMFは、主に米国債に投資するMMFで、ステーブルコインの裏付け資産として認められている。
2008年金融危機での出来事
リーマンショック時、Reserve Primary Fundという大手MMFが元本割れ("breaking the buck")を起こした。これはMMFがリーマン・ブラザーズのコマーシャルペーパーを保有していたためである。
この出来事は金融市場に大きな衝撃を与え、MMF全体からの大規模な資金流出(取り付け騒ぎと同様の現象)を引き起こした。米国政府は緊急措置として、MMFに一時的な政府保証を提供した。
規制強化
2008年の危機を受けて、MMFの規制が強化された:
- 投資対象の信用格付け基準の厳格化
- 残存期間の制限(ポートフォリオ全体の平均残存期間を60日以内に)
- 流動性要件(1日以内に現金化できる資産を一定比率以上保有)
ステーブルコインとMMFの類似性
ステーブルコインは「ブロックチェーン版MMF」と見なすこともできる:
類似点:
- 短期・高格付け資産(主に米国債)で運用
- 高い流動性
- 元本の安定性を重視
相違点: