CBDC
Central Bank Digital Currency(中央銀行デジタル通貨)の略称。中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨。
概要
CBDCは中央銀行が直接発行するデジタル通貨であり、民間が発行するステーブルコインとは異なり、国家の信用を背景に持つ。信用創造の仕組みや決済インフラに根本的な変化をもたらしうる。
ステーブルコインとの違い
| CBDC | ステーブルコイン | |
|---|---|---|
| 発行体 | 中央銀行(政府) | 民間企業 |
| 信用リスク | 国家の信用 | 発行体の信用 |
| プライバシー | 政府が取引を把握可能 | 発行体・取引所次第 |
| 検閲耐性 | 低い(政府が凍結可能) | 自己保管なら高い |
CBDCは発行体リスクを解消する一方で、政府によるすべての取引の監視を可能にするため、プライバシーと検閲耐性を犠牲にするというトレードオフがある。
設計モデル
直接型
中央銀行が個人・法人に直接CBDCを発行する。
間接型(二層構造)
中央銀行 → 民間銀行(仲介機関) → 利用者 という構造。日本が検討している「デジタル円」はこの方式で、銀行の役割が残る設計となっている。
各国の動向
| 国・地域 | 状況 |
|---|---|
| 中国 | デジタル人民元を大規模実験中。最も進んでいる |
| EU | デジタルユーロの発行意思を表明 |
| 日本 | 二層構造モデルを検討中。発行の意思決定はまだなし |
| 米国 | トランプ政権がCBDC禁止令を発令。代わりにステーブルコインを推進 |
銀行システムへの影響
CBDCが直接型で普及した場合、個人が中央銀行に直接預金を持てるようになり、民間銀行のフラクショナルリザーブモデルや信用創造機能が大きく損なわれる可能性がある。間接型はこのリスクを緩和する設計。
関連
- ステーブルコイン - 民間発行のデジタル通貨との比較
- 信用創造 - CBDCが与える影響
- フラクショナルリザーブ - 銀行の基本モデル
- 金融包摂 - CBDCの普及目的の一つ
- 電子署名 - 技術基盤