預金保険制度
銀行が破綻した場合に、一定額までの預金を政府が保証する制度。取り付け騒ぎを防止し、金融システムの安定を保つことを目的とする。
米国のFDIC
FDIC (Federal Deposit Insurance Corporation) は、米国の預金保険機関。1933年の世界恐慌を受けて設立された。
保護範囲:
- 1口座あたり25万ドルまで保証
- 銀行が破綻しても、この範囲内の預金は全額返還される
仕組み
- 銀行は預金総額に応じて保険料をFDICに支払う
- 銀行が破綻した場合、FDICが預金者に代わって支払う
- FDICが破綻銀行の資産を管理・売却し、損失を最小化する
効果
預金保険制度により:
- 預金者は銀行の健全性を逐一心配する必要がなくなる
- 取り付け騒ぎのリスクが大幅に減少
- 金融システム全体の安定性が向上
ステーブルコインとの関係
GENIUS法により、ステーブルコイン発行体は準備金としてFDIC保険付き預金を保有することが認められている。これにより、ステーブルコインの裏付け資産の一部が預金保険制度で保護される。
ただし、ステーブルコイン自体には預金保険制度が適用されない。ホルダーは発行体の破綻リスクを負う。
モラルハザードの問題
預金保険制度には副作用もある:
- 預金者が銀行の健全性を監視するインセンティブが低下
- 銀行がリスクの高い貸し出しを行っても、預金者は気にしない
- 結果として銀行のモラルハザード(過度なリスクテイク)を招く可能性
このため、預金保険制度と並行して、銀行の健全性を監督する規制機関が必要となる。
関連
- 取り付け騒ぎ - 預金保険制度が防ぐ現象
- 最後の貸し手 - 流動性危機への別の対応策
- フラクショナルリザーブ - 預金保険が必要な理由
- ステーブルコイン - 預金保険の適用範囲
- GENIUS法 - ステーブルコイン規制と預金保険
- ステーブルコインと国債と銀行の未来