準備金
銀行や金融機関が、預金者の引き出し要求に応じるために保持しておく資金。現金または中央銀行への預金の形で保有される。
銀行の準備金
法定準備金
中央銀行が銀行に対して義務付ける最低限の準備金比率。
例:準備率10%の場合
- 預金総額: 100万円
- 法定準備金: 10万円
- 貸出可能額: 90万円
超過準備金
法定準備金を超えて保有する準備金。銀行が自主的に保有する安全バッファ。
フラクショナルリザーブとの関係
フラクショナルリザーブ(部分準備制度)では、銀行は預金の一部のみを準備金として保持し、残りを貸し出す。
この仕組みにより:
ステーブルコインの準備金
ステーブルコインは100%準備金を保有する。これは銀行のフラクショナルリザーブと対照的である。
GENIUS法により、ステーブルコイン発行体は以下の資産を準備金として1:1で保有することが義務付けられた:
100%準備金のメリット
- 取り付け騒ぎのリスクがない
- 全てのホルダーが同時に償還を求めても対応可能
- 裏付け資産が明確で透明性が高い
100%準備金のデメリット
中央銀行の準備金
商業銀行は中央銀行に準備金口座を持つ。この準備金は:
- 他の銀行との決済に使用される
- 最後の貸し手機能により、流動性危機時に借り入れ可能
- 中央銀行が金融政策(準備率変更、金利操作など)を実施する手段
準備金の形態
現金準備
- 銀行の金庫に保管される現金
- ATMや窓口での引き出しに対応
預け金準備
- 中央銀行への預金
- 銀行間決済に使用
- 中央銀行が金利を支払う場合もある(超過準備預金金利)
有価証券準備
- 米国債など流動性の高い債券
- 必要に応じて市場で売却して現金化
歴史的変化
準備率の低下
多くの国で準備率は低下傾向にある:
- 米国: 2020年3月、FRBは準備率を0%に引き下げた
- 理由: 銀行システムの効率化、金融政策の変化
ステーブルコインの登場
100%準備金のステーブルコインは、ある意味で「100%準備率の銀行」への回帰とも言える。
関連
- フラクショナルリザーブ - 部分準備制度
- ステーブルコイン - 100%準備金のシステム
- 信用創造 - 準備金から生まれる通貨供給
- 利ざや - 準備金を減らして稼ぐ銀行の収益
- 取り付け騒ぎ - 準備金不足で起きる現象
- 最後の貸し手 - 準備金が不足した際の救済
- 米国債 - 準備金の運用先
- MMF - 準備金の運用先
- GENIUS法 - ステーブルコインの準備金規制
- ステーブルコインと国債と銀行の未来