カストディ
顧客の資産(現金、証券、暗号資産など)を安全に保管・管理するサービス。金融機関の重要な機能の一つ。
伝統的金融におけるカストディ
証券カストディアンは以下のサービスを提供:
- 証券の物理的・電子的保管
- コーポレートアクション(配当、株式分割など)の処理
- 決済・清算
- 報告・記録管理
主要なカストディアン:
- BNY Mellon
- State Street
- JPMorgan Chase
暗号資産カストディ
暗号資産の保管には特有の課題がある:
技術的課題
- 秘密鍵の安全な管理
- ホットウォレット(オンライン)とコールドウォレット(オフライン)のバランス
- マルチシグ(複数署名)による安全性向上
規制上の課題
- 伝統的な証券とは異なる規制枠組み
- 管轄によって異なる規制要件
銀行の暗号資産カストディ参入
従来の銀行が暗号資産カストディに参入する動き:
- Citi: 2026年に暗号資産カストディサービス開始予定
- BNY Mellon: Rippleのステーブルコイン RLUSD のカストディパートナー
- その他多数の大手銀行が参入検討中
ステーブルコインとの関係
ステーブルコインの普及により、暗号資産カストディの需要が急増している。銀行は預金ビジネスでステーブルコインに圧迫される一方、カストディサービスで新たな収益源を見出している。
カストディサービスの利点:
- 手数料収入(預金のような利ざやではなく、サービス手数料)
- フラクショナルリザーブのリスクがない
- 規制コンプライアンスの専門性を活かせる
自己保管 vs カストディ
暗号資産の世界では「Not your keys, not your coins」(秘密鍵を持たなければ、本当の所有者ではない)という格言がある。
自己保管のメリット:
- 完全なコントロール
- カウンターパーティリスクがない
カストディのメリット:
- 専門的なセキュリティ
- 紛失・盗難リスクの軽減
- 規制コンプライアンス(機関投資家に必須)
関連
- ステーブルコイン - カストディ需要の源泉
- トークン化 - カストディ対象の拡大
- 利ざや - カストディは手数料ビジネス
- VASP - 暗号資産サービスプロバイダー
- ステーブルコインと国債と銀行の未来